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生まれ変わったらアイドルになりたいよ。

マイ
うっかり社会人になって早4年。心は永遠に中2。夢はりんごジュース屋さんを開くこと。ハイキュー!!と犬が好きな26歳限界オタクOLです。

 私は口癖のように「生まれ変わったらアイドルになりたい」と言っているタイプのオタクだ。時を戻せれば、今からでもアイドルになりたいわ。無理なら来世では男性アイドルになって、来来世では女性アイドルになりたい。わがままなのでどっちもやりたい。

 でも、なんで私ってアイドルになりたいんだろう。

 そもそも私の場合、「アイドルオタク」というよりは「パフォーマンスオタク」が表現として正しい気がする。アイドルだったら何でも誰でも良いわけでもないし、ビジュアルはまあまあどうでもいい。

 歌・ダンス・表情・音の取り方、全てにおいて心を震わせてくれるパフォーマンスをする人やグループが好き。これですね。これは男も女も関係なし。だから正確には、最高のパフォーマンスをするためにアイドルになりたい、が正しいな。

 じゃあそもそも最高のパフォーマンスって何やねん、という話になると、まあ難しい。

 私にとって最近、超心を震わせてくれたのが「BE:FIRST」で、彼らは「作詞、作曲、コレオ(振り付け)も全部自分たちで作る」というクリエイティビティに溢れているし、実際彼らが作ったものが最高に良すぎて、いちいち涙出る。毎回「その感性は100点満点なので長生きしてくださいね。」と思う。

 何が良いのかと言うと、「俺らが伝えたいことはこれだから、こう表現するんだ」っていう信念みたいなものを、ド直球に表現してくれる。作ったパフォーマンスに、バックボーンや人柄が、全面に打ち出されて怒涛のようにやってくる。

 一般的な感覚だと「ちょっと恥ずかしいわ〜」と思うようなことも、嫌味なく堂々とパフォーマンスに乗せて表現する姿を見ると、もう息ができない。これは男も女も関係なく、もうそうやってこれからも幸せに生きて行って欲しい。

 それを一番感じたのが「BE:FIRST」が誕生したオーディション番組「The First」で、 20歳前後くらいの青年たちが、自分たちが表現したいこと、良いと思うものを惜しみなく、しかも幸せそうに表現している姿が眩しすぎて、君たちの幸せを守りたい、という謎の聖母オタクが爆誕した瞬間でした。

こちらデビュー曲の「Gifted.」となっておりますので是非。

 じゃあ何故彼らが私の心をこんなに震わせるのかと、一言で言えば「羨ましい」という、まさかの嫉妬心からくる感情なんですね、実は。どの立場で物言ってんだって感じですか?ですよね。

 自分もダンスをやっていたから、舞台に立ってキャーキャー言われたり、自分の名前をどデカい声で呼ばれたり、場を沸かす気持ち良さを知ってしまっているのが、嫉妬の大きな要因。そんな経験すること滅多にない。

 歓声を浴びる側は本当に気持ちが良くて、「見てくれた人に、何か響くものがあった」と思うと、むしろパフォーマンスした側の心が震える。そして同じ熱量を持った仲間とリスペクトし合って色んなクリエイティブをしてきたからこそ、彼らのことを眺める側としても拍手喝采だし、めちゃめちゃ羨ましいと感じる。

 あぁ、大人になるって苦しいことの方が多くて切ねえ。

 しかも、当時は個性を表す恥ずかしさが拭いきれていない所があって、「今だったらあの場面こういう風にしてたのにな…」みたいな後悔が突然やってくることもある。もっとやっとけばよかったな、恥ずかしいこと、思い切ったこと、個人的なこと。でも恥ずかしいと思うこと自体も間違いじゃない。だって恥ずかしいもんは恥ずかしいから(笑)

 そうやって形は少し違うけど、経験してきたことっていうのもあって非常にエモーショナル。

 だからまさに今、その状況にいる彼らを見て「羨ましいし、あの時に戻りたい」みたいな気持ちになって、苦しいながらにめちゃくちゃ応援したいという涙が出る。本当さっきからどの立場で涙してますか私は。

 逆に言えば、与えられた歌、ダンスを卒なくこなすみたいなパフォーマンスには一切興味が湧かない。

 1番ではリリックの意味を取ってたのに、2番は裏のスネアの音を取る変化だったり、あえて一部分は振りを作らずフリーにして個人の感情を表すとか。クライマックスで転調する部分はあえて遅どりにするかつ、曲調に合わせた表情管理とか、そういうクリエイティビティを感じさせてくれるものが心を震わせてくれる。

 結局、私にとってはダンスが表現するツールでもあり、ダンスを通じて感情や人柄を受け取ることができて最高に楽しかったんだよね。でもダンスをやったことがない人だったり、音楽は聞くけど細かいことは知らんがな、という人も多いと思うんです。 皆さんが好きだと思う音楽って、どういう理由で好きなんですか?気になってしまう。ちょっと一回考えてみて、深堀って言語化してみてください。いきなり圧迫面接が始まりましたね。

 ここまで付いてきた皆さん、終点です。今回改めて自分と向き合って考えてみて、ようやく自分でも腑に落ちた気がする。

 アイドルになりたいっていうのは、キャピキャピした女になりたいとか、イケメンになりたいとか、金持ちになりたいとか、決してそういうことではない。ただ感情や人となりを受け取る側ではなく、私も大事にしていること、好きなこと、かっこいいと思うことをアウトプットする側の人間でいたい。そしてそれが自分と同じ世界を生きている誰かにとってのきっかけだったり、エネルギー源になって欲しいって、今でも日々感じているんだな。

 まああとは少しはキャーキャー言われたい、という最後の最後に人間の汚いところが出るな。むしろこれがメインなのでは。ということで、来世のために徳でも積んでおくことにします。

追伸:BE:FIRSTは2021年11月3日(水)にメジャーデビューしました。どうぞよろしくお願いします。(PR案件ですか?)